形に残したかったもの。

こんにちは、暮らしの不便を解消する製品開発をしております、幸ノ物工房の「ものぐさ職人」です。
今回は、いつもの製品開発とは少し違うお話です。
少し前に、愛犬モカのために、クリスタル盾を作りました。
モカと過ごした14年間。
たくさんの思い出があります。
その中で、僕がどうしても形に残しておきたかったものがありました。
それが、モカの足です。
モカを思い出すと、真っ先に浮かぶもの。
モカのことを思い出そうとすると、不思議と真っ先に浮かんでくるのが「足」なんです。
おもちゃをくわえて、ものすごい勢いでこちらに走ってきて……
ドッカーン!
と、勢い余ってぶつかってきたり。
ご飯やオヤツの気配を感じると、前足で、
カリカリ、カリカリ。
「そこにあるの、知ってるよ!」
と言わんばかりに催促してきたり。
そんな姿を思い出すと、やっぱり最初に浮かぶのは、あの前足なんですよね。
一方で、モカの表情はたくさんあります。
幼かった頃の顔。
ちょっといたずらっぽい顔。
嬉しそうな顔。
そして、最近の穏やかな顔。
写真もたくさん残っているので、その時々によって、思い出す表情も変わります。
でも、足だけは少し違いました。
どんな場面を思い出しても、そこにはいつもモカの足があったように思います。
だから今回は、写真だけではなく、モカの足の形を残したいと思いました。
クリスタルに残す。
大切に残していた足型をもとに、レーザー加工に使う画像データを作成しました。
普段、製品開発で図面やデータを作っていることもあり、今回も「せっかくなら自分で形にしてみよう」と、足型を見ながらデータを整えていきました。
そして、そのデータをもとに綿の実工房様に加工していただき、クリスタルにモカの足を残すことができました。
クリスタル盾には、モカの名前と肉球、そして生まれた日、我が家に迎えた日、最後の日を刻みました。
そして最後には、
「14年間、たくさんの笑顔をありがとう。」
という言葉を入れました。
開梱する前から、感じたこと。
完成したクリスタル盾が届いたとき、開梱する前から印象に残ったことがありました。
箱には、
「絶対に投げないでください」
という注意書きがあり、とても丁寧に梱包されていました。
もちろん、クリスタル製品ですから、壊れないようにするための注意書きなのだと思います。
でも、その箱を見た瞬間、
「大切に作ってくれたものを、大切に届けようとしてくれているんだな」
と感じました。
まだ箱を開けてもいないのに、不思議と荷物が急にずっしりと重く感じられました。
物理的な重さではありません。
作ってくださった方の想いまで、一緒に届いたような気がしたんです。
そして、慎重に開梱してクリスタル盾を手に取ったとき、
「モカのために、これを作って良かった」
と、素直に思いました。
綿の実工房様、ありがとうございました。
今回、このクリスタル盾を制作してくださったのは、綿の実工房様です。
こちらの希望を丁寧に受け止めていただき、大切なものだからこそ、時間をかけて制作してくださいました。
特に今回は、モカの足を残したいという思いがありました。
その大切な部分を含め、丁寧に形にしていただけたことを、とてもありがたく感じています。
完成したクリスタル盾は、今、遺影の隣に置いています。
光の当たり方によって、クリスタルの中の肉球や文字が少し違って見えます。
それを見るたびに、
「この足で、一緒に14年間を過ごしたんだな」
と、改めて感じます。
なお、今回の記事での綿の実工房様のお名前の掲載と、制作していただいたクリスタル盾の写真掲載については、事前にご了承をいただいております。
この場を借りて、改めてお礼を申し上げます。
綿の実工房様、本当にありがとうございました。
「形にする」ということ。
普段、僕は製品を作っています。
どうすれば使いやすくなるのか。
どうすれば壊れにくくなるのか。
どうすれば、使う人にとって少しでも良いものになるのか。
そんなことを考えながら、試作を繰り返しています。
今回のクリスタル盾も、ある意味では同じでした。
「何を残したいのか」
「どんな形なら、これから先も大切にできるのか」
そんなことを考えながら、少しずつ形にしていきました。
ものづくりというのは、何かを便利にするためだけではないのかもしれません。
誰かの思い出や、大切にしたい気持ちを、
「形にする」
ことも、ものづくりなのだと思います。
今回作ったクリスタル盾も、これからずっと、モカとの14年間を思い出すための大切なものになりそうです。
そして……
こうしてまた一つ、我が家に「大切なもの」が増えました。
モカ、たくさんの笑顔をありがとう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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